だんだんと涼しくなってきて、上着を一枚羽織りたくなる、この季節。
そろそろ衣替えだなと思って、しまっていたニットカーディガンやセーターをよく見ると、
毛玉ができていてすぐには着られなかった・・・なんて経験ありませんか?今回の豆知識コーナーでは、誰でも簡単に、そしてキレイに毛玉を除去する方法をお教えしちゃいます!
絶対やっちゃダメ! 間違った毛玉の取り方
ふいに見つけた毛玉、皆さんはどうやって処理していますか?
実は、絶対にしてはいけない毛玉の取り方があります。
1.手で引っ張ってちぎる
できてしまった毛玉が気になる…けど、手元に毛玉を取れるアイテムが何もない…というときに、「えいやー!」と手で引っ張ってちぎった経験ありませんか?実は、これ、絶対にしてはいけない行為だったのです!
手で引っ張ると、毛玉になる前の繊維自体を引っ張ってしまっています。
そして、繊維自体を引っ張った状態でちぎると、その部分の繊維が浮き出てしまい、次の毛玉の原因になってしまうのです。毛玉ができやすい環境を作ってしまっているということですね。
2.食器用スポンジで取る
インターネットの豆知識としてよく見かける、食器用スポンジの硬い部分でこすって毛玉を取る方法。
この方法は一気に毛玉が取れるので、「楽だな~」と思う方もいると思いますが、絶対に真似しないでください!実はこのやり方、スポンジに毛玉を付着させ、こすることで毛玉を取っているため、上記でも説明したように、引きちぎって取っている事と変わらないのです。
つまり、結果的に生地自体が傷んでしまうのです。
知らないうちにお気に入りのカーディガンやセーターの寿命を縮めている可能性があります…!!
このように、間違った取り方をしていると、
毛玉を除去したつもりが次の毛玉の原因を作っていたり、洋服自体を傷つけていたりと、
一時的に毛玉が取れはしますが、長い目で見ると全くプラスになることはありません!
では、どうやって取るのが正しいのか? 次の項目で、詳しくご紹介します!
毛玉を取る前に知っておきたい事
ただがむしゃらに毛玉を取ればいいというわけではありません!
毛玉を取る前にこの2つのポイントを抑えておくと、
生地を傷めず、よりキレイに毛玉を取ることができます!
1. 絶対に繊維を引っ張らない
絶対に繊維を引っ張らない!これが実は一番重要なポイントです。
繊維を引っ張ることで起きるデメリットは先程お伝えしましたが、次の毛玉の原因になり、洋服自体の寿命を短くしてしまいます。毛玉を取るときは、繊維を引っ張らないように心がけましょう!
2. 事前準備をしっかりおこなう
まず、毛玉ができてしまった洋服にブラシをかけて、繊維の方向を整えます。
そして、毛玉部分をガムテープなどで上に浮かせます。
この事前の準備をしっかりおこなうことで、毛玉が取りやすくなり、キレイに除去することができます。
誰でも簡単にできる毛玉除去方法
事前準備をしっかり済ませたら、毛玉の除去に取り掛かります!
簡単に、キレイに除去できる方法をいくつか紹介するので、自分ができそうだと思うやり方を試してみてくださいね♪
1. ハサミで切って除去
生地を一番傷めない方法がこの方法です!
事前準備として、浮かせた毛玉の下に刃を入れて、毛玉だけを切り落としていきます。ちょっとした毛玉だったら、この方法が一番です。
2.T字カミソリを使用して除去
使用済みのT字カミソリを毛玉の下に入れ、あまり力を加えずに、丁寧に軽くこするだけ!
毛玉をキレイに除去することができます。
こちらのやり方は、力を加え過ぎると生地を傷める原因になってしまうので、丁寧にするのがポイントです。
3.電動毛玉取り器を使って除去
広範囲に毛玉ができて困っている方には、こちらの方法がおすすめ!
電動毛玉取り器は、100円均一で売られているようなものだと、生地を傷めてしまう可能性があるため、2000円~3000円ほどの価格で売られているものを使用してください。
使用方法は、浮かせた毛玉部分に毛玉取り器を軽く当てるだけ!
毛玉取り器の穴の空いた部分に毛玉だけが入り、中で回転している刃でカットされます。
※あまり強く当てると、生地を切って穴があく可能性があるので注意※
4.毛玉取りブラシを使用して除去
こちらも3000円ほどで購入できる毛玉取りブラシですが、この毛玉取りブラシを使用すれば、毛玉がキレイに取れるだけではなく、毛玉になりかけている部分の繊維も凹凸なくキレイにすることができます。
お気に入りの洋服を長く着用したい方におすすめです。
そもそも毛玉ってどうやってできるの?
今まで、毛玉の除去方法をご紹介してきましたが、
そもそも毛玉はどういう流れでできてしまうのでしょうか?
詳しくご説明します。
ずばり! 毛玉ができる原因は、「摩擦」です。
洋服を着て腕を動かしたり、椅子に座ったりするだけでなく、洗濯のときに他の洋服と擦れ合うことで、生地の繊維の先端が毛羽立ち、その毛羽が束を作ることで毛玉ができます。
上記の図からも分かるように、毛玉はもともと洋服の一部だったということですね。
毛玉ができるメカニズムはご理解いただけたでしょうか?
実は、素材によって毛玉ができやすいものとそうでないものがあります。
では、どのような素材が毛玉ができやすいのでしょうか?
毛玉ができやすい素材
動物繊維の素材(ウール、カシミヤ、アンゴラなど)
この繊維は、よくカーディガンやセーターに使用されているため、毛玉ができやすいとご存じの方も多いと思います。動物性繊維は毛玉ができやすいですが、繊維の強度が低い繊維のため、摩擦によって自然と毛玉が落ちることもあるため、比較的毛玉ができても除去しやすい素材とも言えるのです。
天然繊維と化学繊維の混紡素材(綿×ポリエステルなど)
よくある「綿×ポリエステル」、「綿×アクリル」などの素材は、毛玉になりやすい素材の代表です。
この繊維は強度が強いため、毛玉ができるとなかなか取れないといった特徴があります。手でちぎろうとしたときに力が必要なものは、この混紡素材の可能性が高いですね。
できやすい素材でも、毛玉が取りやすい、取りにくいといった種類があります。
ですが、洋服にできた毛玉を取り続けると、生地が徐々に薄くなっていくため、その分、製品の寿命も縮まってしまいます。
長い目で見ると、やっぱりできにくい商品を選ぶのが一番ですね!
では、毛玉ができにくい素材って一体何なのでしょうか?
それは、次でご紹介します!
毛玉ができにくい素材は?
もとから毛玉ができなければ、毛玉取りに労力を費やす必要もなく、生地を傷める心配もなく、長い間着用することができますよね?
では、どのような素材を選べばいいのか、ぜひこちらを参考にしてみてください!
毛玉ができにくい素材
綿や麻、シルク100%の素材
綿や麻、シルク100%の商品は、毛羽自体が立たないので、毛玉ができにくいと言われています。
ですが、一般的に毛玉ができにくいと言われている綿やシルク素材は、あまり保温性のある素材ではないため、秋冬に着るには少し薄手の素材になりますね。
毛玉ができにくい加工(抗ピル加工)がされている素材
抗ピル加工とは、下記の資料からも分かるように毛玉ができにくくなる加工のことです。
薬品につけることにより、 ピリングが発生してしまう原因の摩擦をしにくくさせ、また、繊維自体の強度を弱くすることで、繊維どうしが、絡まって毛玉になる原因を防ぐ加工を言います。
参照元:http://blog.maruyasu-fil.co.jp/archives/10630
この加工がされている素材は、保温性がありながら毛玉ができにくいというメリットがあります。カーディガンやセーターなどを選ぶ際は、この加工がされているものを選びましょう。
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この記事を監修してくれたユニフォーム博士
岩田 百志(いわた もとし) ユニフォームを販売して20年。 豊富な商品知識から、商品の特徴(素材・デザイン・機能面)を瞬時に判断し、お客様に最適なユニフォームを提供するユニフォームコンシェルジュ。 現在では、後身の指導にアドバイザリーとしても尽力。 |