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現場のリアリティを出すためのコラボ企画に注目
イメージを重視したカタログの中でも、ユニフォームを着用する現場の「リアリティ」を出すためにはじめたのが、「コラボ企画」です。
コラボ企画とは、ユニフォームを着て働くその道のプロとチトセが協力し、新しい製品開発をおこなうというもの。飲食店向けのarbeのカタログの巻頭、目に付きやすいところにあるコラボページは、チトセが最も力を入れている企画であり、チトセのオリジナリティをアピールするコンテンツだといいます。
実際に飲食店で働く方や職人たちと、素材や型作りについて何度も話し合いを重ね、生地の調達から細部のデザインまで多くのこだわりを詰めこんだ商材は、まさにワンランク上のブランド製品。
「ものづくりに対して、自分本位でなく、相手の意見も聞きつつ間をとっていく作業は苦労がいるが、こういう耳を傾けていることがあってチトセブランドが成り立っている。」
と担当者が語るように、コラボ企画は、チトセのこだわりと苦労が最も詰まった企画だそうです。
「重要なのは、誰と何をコラボしているかではなく、その道のプロがユニフォームを着て働く現場を見せること。」
そして、消費者にユニフォームを着用する現場をよりリアルに感じとってもらうことが目的だといいます。
「より現場に密接したものづくりをしていることに共感いただける人に買っていただきたい。」
というチトセの思いが込められたコラボ企画。文面や写真からだけでは分からない、チトセのたゆまぬ努力やその背景にある思いも、カタログを広げてじっくり感じ取っていただきたいです。
見えない部分で努力しているカタログ作り
前編でご紹介した通り、チトセのカタログはイメージを重視した写真で、見る人の目を引き付ける構成となっています。しかし、その一方で、お客様からのカタログの評価は気にするといいます。
実際に、「バックスタイルを知りたい」という声があったときには、商品情報のところにバックスタイルのイラストを追加し、「エプロンの丈感が分かりにくい」という声があったときには、モデルの着用ページとは別に、商品を並べてそれぞれの丈が何センチかを大きく記した、分かりやすい構成のページも追加したそうです。
また、どのメーカーのカタログにもつけられている「ストレッチ」などの機能アイコンにもチトセならではの視点があるといいます。
機能アイコンとは、商品の違いや価格を比較する際の目安ともなる機能の表記ですが、ときにはその機能表記にとらわれすぎて「ストレッチと書いてあるけど伸びない」「あっちの商品とどっちが伸びるのか?」といった、お客様の混乱を招く要因にもなりえます。
そのような混乱を最小限にするためにも、チトセでは「ある一定基準をクリア」のように数値で定めるのではなく、製品を着用した感じや触った感じ方を目安に、選ぶ人が分かりやすいかどうかを基準にしてつけているそうです。
たとえば、着る人の体型によって差が出る医療スクラブでは、「シルエットが分かりにくい」というお客様からの意見を受け、「スリム」や「太目」など、着用感の目安となるアイコンをつけることを検討しているとのこと。サイズ表の数字だけでは差が分かりにくいものでも、このようなアイコンの表記があれば、私たちもずっと選びやすいですよね。
初めはイメージ重視のブランディングだと語ってはいたものの、お客様からの声は無視できないという担当者。
「カタログはイメージ重視だけでもいけないので、なるべく大きく、なるべく全身を見せるようにといったお客様視点でのユニフォームとしての見せ方を考えることも必要。そのバランスが難しい。」
シンプルさにこだわったカタログですが、ユニフォームという意識を持てば、商品開発と同じように自分本位では制作できません。ブランドとしての価値や、商品としてのクオリティを知ってもらった先には、よりお客様が安心して買えるような気配りも必要だということをチトセは理解し、実践していました。
チトセのユニフォームが選ばれる理由とは
チトセではカタログとは別に小冊子を活用し、自社での販売促進もおこなっています。小冊子では、カタログとは打って変わって、商品を分かりやすく紹介するために説明的な部分を多めに設け、目的そのものを分けて制作されているのが特徴です。
また、弊社のような代理店を通じたネット通販では、今回の撮影のように、お客様が不安を感じずに購入していただくために、カタログに掲載していない商品の細部やバックスタイルの画像提供にも協力しています。
私たちが安心してチトセの商品を提供できることは、難しい要望にも決して「No」と言わない、チトセの商品に対する思い、信頼できる製品作りを知っているからです。
最後に、チトセの売れ筋商品のカラーシャツは、通常のアパレル製品と比較すると袖の長さや丈が短めに作られているのをご存知ですか?
これは、ユニフォームを着用して働くうえで、作業の妨げにならずにすっきり見えることを考慮して作っており、この形に仕上げているのだそうです。
「悩むのは、普通に合わせて変えたほうがいいかどうか。同じものを求めるリピーターに向けて、あえて変えずに作り続けるか、変えた方がよいのかどうかが、ユニフォームの難しいところ。」
と担当者は語ります。
その商品がどのようにして作られたか、着用する人にとってどのようなメリットがあるのか、チトセのカタログの紙面では、多くを語られることはありません。
しかし、その中の一つひとつの商品には、クオリティの高い製品作りにおける苦労や、かっこいいものへのあこがれとユニフォームとしての見せ方の葛藤を乗り越えた末に出来上がった、チトセの熱い想いが込められています。
そんなチトセのこだわりが詰まったカタログを手に、
チトセの商品に目を留めるお客様が一人でも増えていることと思います。